今日は『菜根譚』が書かれた時代背景について。ちなみに今日はエイプリル・フールですが、今日の記事の内容はウソじゃありません。マジな話ですw
『菜根譚』の時代背景をまとめると
それでは、万歴帝ってどんな皇帝だったのでしょう?
やばい皇帝さんですね。こんな人がトップでは国が乱れて当然です。上にたつ人は常に民衆のことを考えなくてはならないのに、自分に甘く、自分の愛人や、こびへつらう者ばかりを重んじるのは非常にまずい。『菜根譚』にも君主たる人物への戒めがこう書かれております。
人間たる者が、志を得て権力の座に登り重要な地位につけば、その言行は、公正で、心持はなごやかで親しみ易くしなければならない。ついうかうかと悪い仲間によったりしてはいけないし、また、あまりやりすぎて、ハチやさそりのような小人どもに害されるようなことがあってはならないって意味です。つまり悪い家臣にそそのかされたりせずに、民衆のために良い政治をしなさいと。万暦帝は、まさに『菜根譚』のとく理想の君主像とは真逆だったのです。
『菜根譚』の時代背景をまとめると
- 時は明の時代末期。時の皇帝は第14代皇帝の万歴帝。日本でいうと豊臣秀吉が権力を握っていたころ。朝鮮出兵とも時期が重なる。
- その頃の明は国が乱れ、役人や官僚の間で不正やら汚職がはびこって、ちょうどいまの日本とそっくりの状況だった。
- 朝鮮出兵で、明は朝鮮に援軍を派兵した。一方で、ヌルハチ率いる女真族の勢力が増しており明を脅かしていた。対外的にも苦しい状況
それでは、万歴帝ってどんな皇帝だったのでしょう?
- 10歳で即位
- 張居正という優秀な政治家のもとで政治改革が行われ、無駄な官職の撤廃・全国的な検地・無用な公共事業の廃止などにより財政は好転。
- 一方で張居正は、上司である万歴帝に厳しく、些細なミスでも大声で怒鳴ったともいわれている。
- 張居正がなくなり万歴帝は堕落しはじめる。
- 鄭貴妃という愛人をかわいがり、万歴帝は鄭貴妃との間にできた子をかわいがり、長男を疎んじ、それどころか、長男が鄭貴妃の一派に暗殺されそうになっても、万歴帝は、それを黙認。
- 東林党という政治集団が権力を握り、それに反対する勢力との間で激しい派閥争いがおこったが、万歴帝はそれを黙認。
- さらに宦官たちがはびこるようになった
- 万暦帝は政治に関心はなかったが、銭ゲバで個人的な蓄財には熱心で、国家財政までも無視した。
- 官僚に欠員が出た場合でも給料を惜しんで、それを補充しないなどということを行い、このために一時期は閣僚が一人しかいない、あるいは地方長官が規定の半数しかいないなどという異常事態となった。
- さらに悪化した財政への対策として、全国に税監を派遣し、厳しい税の取り立てを行い、民衆の反感を買った。
- 怒った民衆により税監たちがたびたび殺される事件が起こったのに、万暦帝は厳しい税を亡くなるまで取り続けた
- 豊臣秀吉が二度にわたる朝鮮出兵を行ったが、その際、朝鮮を助けるために軍隊を派遣したが、その軍事費も国の財政を圧迫した。 ]
- ヌルハチ率いる女真族の台頭に悩まされた。
- 国家にとって不可欠な出費を惜しむ一方で、ぜいたくばかりしていた。例えば鄭貴妃との間にできた子の結婚式のために30万両という金額を使った。
- 政治への関心も薄れ、次第にひきこもるようになった。ネットでニート皇帝と揶揄されるほど
やばい皇帝さんですね。こんな人がトップでは国が乱れて当然です。上にたつ人は常に民衆のことを考えなくてはならないのに、自分に甘く、自分の愛人や、こびへつらう者ばかりを重んじるのは非常にまずい。『菜根譚』にも君主たる人物への戒めがこう書かれております。
士君子、権門要路に処れば、操履は厳命なる要し、心気は和易なるを要す。少しも随いて暒羶暒羶の党に近づくなかれ。また、過激にして、蜂蠆の毒を犯すなかれ。
人間たる者が、志を得て権力の座に登り重要な地位につけば、その言行は、公正で、心持はなごやかで親しみ易くしなければならない。ついうかうかと悪い仲間によったりしてはいけないし、また、あまりやりすぎて、ハチやさそりのような小人どもに害されるようなことがあってはならないって意味です。つまり悪い家臣にそそのかされたりせずに、民衆のために良い政治をしなさいと。万暦帝は、まさに『菜根譚』のとく理想の君主像とは真逆だったのです。