今日は間男じゃなかったw魔女と呼ばれた人たちがどのような尋問じんもん拷問ごうもんを受けたかについて。






1 魔女への尋問の仕方
 その魔女裁判の流れですが、まず裁判所に連れてこられた女性は尋問の前に全身の毛を刈られてしまうそうです。これは魔女の毛には魔力があって、それを封じるために毛を刈ったそうです。

そして魔女への尋問(じんもん)がはじまります。尋問の仕方はこんな感じだったようです。

「お前は間男になってから何年になるか?」じゃなかったw「お前は魔女になってから何年になるか?」と審問官は容疑をかけた女性を尋問したのです。他にもこんな事も。

  1. 魔女になった理由はなにか?

  2. お前を選んだ男色魔の名は?

  3. 悪魔にどんな事を契約をしたか?

  4. 魔女集会(サバト)には、どんな悪魔と出席したか?


他にも色々な事を審問官から聞かれたそうです。もちろん、魔女として裁判に連れてこられた女性達には身に覚えのない質問ばかりでした。当然否定しますよね。

それで裸にされ、体についているという悪魔の痕跡がないか調べらるのです。全身を調べられ、悪魔の痕跡が見つかると、大変なのです。その痕跡というのがひどい話で、しみ、イボ、ホクロです。そんなもの別に珍しいものではありませんよね。僕だって腹のところにシミがありますよ。僕がもし中世ヨーロッパに生まれていたら、魔女裁判にかけられ火あぶりにされていたでしょうね。ああ、現代に生まれてよかったw

これでも、容疑をかけられた女性が魔女だと断定できません。

その決め手というのが本人の自白。今みたいに検察が証拠を集めてきて、罪を立証するわけじゃないからひどいですよね。でも、関係ない女性が「お前は魔女だ」といわれたって、答えようがありません。それで、魔女裁判の裁判官はあの手この手を使って、自白をさせようとするのですそれで拷問にかけて自白をさせようとするのです。


2 恐るべき拷問

  拷問の第一段階が「親指締め」。片方の親指、あるいは両方の親指を万力のような器具に差し込み、爪と詰めの間から血が出てくるまでしめるのです・・・

足元に重りをつけて、それで天井から被告をひもで宙づりにして高いところまで上げたり、、するどいトゲのある拷問台に寝かせたり、すねを骨が砕けるまで万力で砕いたり、熱した鉄の靴をはかせたり、拷問台に乗せて四方から手足を引っ張ったりもしたそうです。ほかにも、魔女の疑いのある者の両手両足を交互に結わえたうえで川などの冷水に投げ込んで、沈めば無罪、浮けば有罪というひどい事もやっていました。

こうした拷問はヨーロッパ各地で行われましたが、唯一イギリスは拷問が禁じられたおりました。だから、ザンコクな拷問は無かったといわれています。それでも、長い間正座をさせたり、歩かせたり、眠らせなかったりしたそうです。

もっともひどいのが全身がハリでおおわれている椅子(通称「魔女の椅子」)に座らせたりしたそうです。この「魔女の椅子」をみただけで恐怖のあまり自白をした被告もいたといいます・・・

そうやって拷問を受けても「私は魔女です」と自白をしなければ、生きたまま火あぶりになったそうです・・・・


3 なぜ自白にこだわるのか

 残酷な話ですが、当時の刑事訴訟法では自白に拷問をつかうことは全然OKだったのです。嫌な時代だったのですね。ましてや魔女裁判は盗みや殺人のように明確に罪を証明することができないので、魔女裁判では拷問にかけてでも、自白をさせる必要があったのです。たとえ、本当に魔女でなかったとしても、拷問のつらさから「私は魔女です」と言ってくれればそれでOKなのです。苛烈な拷問のため、自白をする前に被告が死んでしまうこともしばしばだったそうです。

なぜ、当時は自白にこだわったかというと、それは当時のキリスト教の価値観が背景にありました。自白とは罪を犯した人間が「私は罪を犯しました」という「告白」であり、悔い改めますという意味を持つからだそうです。たとえ、拷問の苦しさからによる「自白」であっても、「私は罪を犯した」といえば、永遠の生を手に入れ天国に行けるとマジで信じられていたのです。魔女裁判であれば、「私は魔女だ」といえば神に許され天国に行けると信じられていたのです。今では考えられないことですが、中世ヨーロッパは間違った考え方がまかり通っていたのですね・・・

そして裁判にかけられ、魔女と認められた女性はすべて死刑になったといいます・・・

https://youtu.be/3Pxo9ml5jSI(魔女裁判の拷問で使われた道具)

4 いもづる式に増える魔女の数
 もしも、あなたが学校で変なウワサがたち、それでクラスメートからいじめられたとしたらどうします?それに先生までもあなたを守ってくれないとしたら?そんなひどいなことが魔女狩りの時代には当たり前の様に行われていたそうです。容疑をかけられた女性は、「お前の他にもサバトに参加している魔女はいないのか?」と聞かれることもあります。

聞かれた女性は、これ以上先に挙げたような拷問ごうもんを受けるのは嫌だから、思いついた名前をあげることもあったとか。友人や隣近所の人、場合によっては嫌いな人間の名前も挙げてしまいます。そうやって名前が上がった人間も容疑をかけられ、裁判に芋づる式に連行されてしまうから恐ろしいです・・・

その1の記事でも書きましたが、イギリスの魔女狩り将軍のホプキンズは、子供に「お母さんは魔女よ」って言わせて、母親を魔女として処刑したそうです。子供は分別もないし、お母さんの愛よりも自分が殺されることの恐怖から、そんな言葉がでてきたのでしょう。身内といえど信用できない時代だったのですね・・・

また、密告も奨励され、あの人は魔女ですとチクられた場合、チクられた人間が裁き(さばき)にあうからヒドイ話です。心無い人からチクられて、連行されたある女性は、仲間からも見放されてしまい、それなら死んだ方がマシだとウソの自白をしたようです・・・



5 20世紀のイギリス最高法院長 マクドネルの言葉

 20世紀になって、イギリスで最高法院長をつとめたマクドネルという人物がいましたが、その人はこのような事を言いました。

「魔女裁判は『自白』というものが不十分であり、頼りにならぬものである事を他のどの裁判よりも強力に証明している。・・・動乱の時代においては、裁判が裁判によって悪用されることを魔女裁判は明らかにしてくれた。刑法学を学ぶものにとって、これはいろいろな意味で教訓的である。」



参考文献 


NHK BSプレミアム「ダークサイドミステリー」


週刊歴史のミステリー No.2 (2008/2/12号)


魔女幻想―呪術から読み解くヨーロッパ (中公新書)



図説 魔女狩り (ふくろうの本/世界の歴史)



魔女狩り (岩波新書)