ユダヤ人の迫害といいますと、ナチスを連想してしまいますが、ユダヤ人は古くから迫害をされてきました。今日はユダヤ人迫害の二つの大きな事件を取り上げます。出エジプトとバビロン捕囚です。いづれもキリストが生まれる以前のお話です。
1 出エジプト
まずは出エジプトのおはなしです。この出エジプトで重要な役割を果たすのがモーセです。モーセの半生は映画にもなりました。『十戒』です。この映画はわたくしの個人的な意見ですけれど、死ぬまでに一度は見ておいたほうがいいですよ。
ユダヤ人の祖とされるアブラハム(※1)がカナン(※2)の地に入ったのが紀元前19世紀ごろですが、どうもカナンの地にて飢饉があったらしく、それで彼の子孫(ヘブライ人)が食べるものを求めてエジプトに住むようになったといいます。しかし、エジプトではヘブライ人が迫害されるようになりました。というのもエジプトでヘブライ人の人口が多くなったからです。エジプトの王は敵国との争いが起きた時にヘブライ人が敵国に味方すると恐れたからです。
そこでエジプトの王が、奴隷としてこき使ったり、ヘブライ人の赤ん坊をナイル川に捨てたりとヒドイことをしたのです。それをかわいそうに思ったのがモーセでした。モーセはエジプト産まれでしたが、ユダヤ人の血を引いていました。
モーセがある日、神のお告げをききます。その神こそヤハウェ(※3)だといいます。モーセはヘブライ人たちを助ける役目を神から命じられたといいます。
モーセはエジプト王にヘブライ人を助けてくれといいましたが、失敗します。それで、モーセは大勢のヘブライ人を引き連れ、カナンの地を目指しました。しかし、エジプトの軍勢が追ってきます。モーセとヘブライ人たち一行は海の前で立ち止まってしまいます。前方は海、そして後方にはエジプト軍。さあ、困った、困った。
するとフシギなことに海は二つに割れ、道ができたのです。そのできた道をモーセ一行は歩いていきました。エジプト軍が通ろうとすると二つにわれた海が元通りになり、エジプト軍は海のもくずと消えていきました。
2 十戒の内容
そして、モーセとヘブライ人たちは何年もさまよいましたが、その時モーセが神から授かったのが十戒です。あらかじめ言っておきますが、中森明菜ちゃんの歌ではありませんww え?「十戒」を知らないって?若い子たちだと知らない人もいるだろうなあ。興味がある方はYOU TUBEで「明菜、十戒」と検索してみてくださいw
モーセの十戒はどんな内容かは、だいたい以下のとおり。
この十戒の教えは現代のユダヤ人たちの大切な教えとなっておりますが、現代のイスラエルの右派政治家やユダヤ人のテロリストたちは十戒の「汝、殺すなかれ」をちゃんとわかっているのでしょうか?と思わず思ってしまいます。
その十戒がかかれた石板を収めたのが「契約の櫃」いわゆる、聖櫃(アーク)です。そのアークを神殿におさめ、ユダヤ教は発展していきました。この「契約の櫃」は行方知らずだそうです。その失われたアークを探そうとする考古学者の冒険劇こそ「インディージョーンズ」という映画です。
3 バビロン捕囚
それからもう一つのユダヤ人迫害事件をご紹介します。紀元前597年〜583年のバビロン捕囚です。かつてのヘブライ王国(古代イスラエル)はダビデとソロモン王の時代は大いに栄えたのですが、ソロモン王が死ぬと二つの王国に別れてしまいます。北がイスラエル王国、南がユダ王国です。そして北と南の国がそれぞれ他国の侵略をうけ滅ぼされてしまいます。北がアッシリア、南のユダ王国が新バビロニア王国(※7)によって滅ぼされます。
このバビロン捕囚は、紀元前597、587、583年と3度にわたって行われました。3度も行われたのはユダヤ人たちの抵抗が激しかったからでしょう。特に紀元前583年は住民の大部分が新バビロン王国によって捕囚されてしまったといいます。
ユダ王国のヘブライ人(ユダヤ人)はバビロンに連れていかれ、迫害さえたり、こき使われたりしたといいます。
一方で新バビロン王国は、ユダ王国の人々をバビロンにおいてまとまった状態で住まわせたため、バビロンに連行された人々はユダヤ人のコミュニティーのなかで信仰を守り続け、エルサレムへの望郷の念とともに「ユダヤ人」としてのアイデンティティーを確立していったといいます。自分の住み慣れたところを離れたほうが、自分たちの民族意識が強まるのかもしれませんね。
僕は日本から一度も離れたことがないからわからないのですが、海外に住んでいる日本人は日本本土に住んでいる日本人よりも「日本人」としてのアイデンティティーといいますか民族意識が強いと聞いております。
そのあたりの説明は僕がウダウダ語るより、こちらの動画のほうがくわしいと思います。
※1 ユダヤ諸民族の祖。彼のことは前回の記事でもふれました。
※2 現在のパレスチナ、イスラエルのこと。
※3 古代イスラエルの唯一神
※4 神仏をかたどった、信仰の対象となる像。
※5 男女間の、倫理にそむいた肉体関係。
※6 真実でない事を真実のように述べた証明。
※7 かつて古バビロニア王国とは別の国
※ 参考文献
1 出エジプト
まずは出エジプトのおはなしです。この出エジプトで重要な役割を果たすのがモーセです。モーセの半生は映画にもなりました。『十戒』です。この映画はわたくしの個人的な意見ですけれど、死ぬまでに一度は見ておいたほうがいいですよ。
ユダヤ人の祖とされるアブラハム(※1)がカナン(※2)の地に入ったのが紀元前19世紀ごろですが、どうもカナンの地にて飢饉があったらしく、それで彼の子孫(ヘブライ人)が食べるものを求めてエジプトに住むようになったといいます。しかし、エジプトではヘブライ人が迫害されるようになりました。というのもエジプトでヘブライ人の人口が多くなったからです。エジプトの王は敵国との争いが起きた時にヘブライ人が敵国に味方すると恐れたからです。
そこでエジプトの王が、奴隷としてこき使ったり、ヘブライ人の赤ん坊をナイル川に捨てたりとヒドイことをしたのです。それをかわいそうに思ったのがモーセでした。モーセはエジプト産まれでしたが、ユダヤ人の血を引いていました。
モーセがある日、神のお告げをききます。その神こそヤハウェ(※3)だといいます。モーセはヘブライ人たちを助ける役目を神から命じられたといいます。
モーセはエジプト王にヘブライ人を助けてくれといいましたが、失敗します。それで、モーセは大勢のヘブライ人を引き連れ、カナンの地を目指しました。しかし、エジプトの軍勢が追ってきます。モーセとヘブライ人たち一行は海の前で立ち止まってしまいます。前方は海、そして後方にはエジプト軍。さあ、困った、困った。
するとフシギなことに海は二つに割れ、道ができたのです。そのできた道をモーセ一行は歩いていきました。エジプト軍が通ろうとすると二つにわれた海が元通りになり、エジプト軍は海のもくずと消えていきました。
2 十戒の内容
そして、モーセとヘブライ人たちは何年もさまよいましたが、その時モーセが神から授かったのが十戒です。あらかじめ言っておきますが、中森明菜ちゃんの歌ではありませんww え?「十戒」を知らないって?若い子たちだと知らない人もいるだろうなあ。興味がある方はYOU TUBEで「明菜、十戒」と検索してみてくださいw
モーセの十戒はどんな内容かは、だいたい以下のとおり。
1 主が唯一の神であること
2 偶像(※4)を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
3 神の名をみだりに唱えてはならないこと
4 安息日を守ること
5 父母を敬うこと
6 殺人をしてはいけないこと(汝、殺す無かれ)
7 姦淫(※5)をしてはいけないこと
8 盗んではいけないこと
9 偽証(※6)してはいけないこと
10 隣人の家をむさぼってはいけないこと
この十戒の教えは現代のユダヤ人たちの大切な教えとなっておりますが、現代のイスラエルの右派政治家やユダヤ人のテロリストたちは十戒の「汝、殺すなかれ」をちゃんとわかっているのでしょうか?と思わず思ってしまいます。
その十戒がかかれた石板を収めたのが「契約の櫃」いわゆる、聖櫃(アーク)です。そのアークを神殿におさめ、ユダヤ教は発展していきました。この「契約の櫃」は行方知らずだそうです。その失われたアークを探そうとする考古学者の冒険劇こそ「インディージョーンズ」という映画です。
3 バビロン捕囚
それからもう一つのユダヤ人迫害事件をご紹介します。紀元前597年〜583年のバビロン捕囚です。かつてのヘブライ王国(古代イスラエル)はダビデとソロモン王の時代は大いに栄えたのですが、ソロモン王が死ぬと二つの王国に別れてしまいます。北がイスラエル王国、南がユダ王国です。そして北と南の国がそれぞれ他国の侵略をうけ滅ぼされてしまいます。北がアッシリア、南のユダ王国が新バビロニア王国(※7)によって滅ぼされます。
このバビロン捕囚は、紀元前597、587、583年と3度にわたって行われました。3度も行われたのはユダヤ人たちの抵抗が激しかったからでしょう。特に紀元前583年は住民の大部分が新バビロン王国によって捕囚されてしまったといいます。
ユダ王国のヘブライ人(ユダヤ人)はバビロンに連れていかれ、迫害さえたり、こき使われたりしたといいます。
一方で新バビロン王国は、ユダ王国の人々をバビロンにおいてまとまった状態で住まわせたため、バビロンに連行された人々はユダヤ人のコミュニティーのなかで信仰を守り続け、エルサレムへの望郷の念とともに「ユダヤ人」としてのアイデンティティーを確立していったといいます。自分の住み慣れたところを離れたほうが、自分たちの民族意識が強まるのかもしれませんね。
僕は日本から一度も離れたことがないからわからないのですが、海外に住んでいる日本人は日本本土に住んでいる日本人よりも「日本人」としてのアイデンティティーといいますか民族意識が強いと聞いております。
そのあたりの説明は僕がウダウダ語るより、こちらの動画のほうがくわしいと思います。
※1 ユダヤ諸民族の祖。彼のことは前回の記事でもふれました。
※2 現在のパレスチナ、イスラエルのこと。
※3 古代イスラエルの唯一神
※4 神仏をかたどった、信仰の対象となる像。
※5 男女間の、倫理にそむいた肉体関係。
※6 真実でない事を真実のように述べた証明。
※7 かつて古バビロニア王国とは別の国
※ 参考文献
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