きょうの記事はながいです。

1 火の車だった財政
前回の記事で「アンシャンレジーム」を取り上げました。前回の記事でもかきましたが、フランスは大きく3つの身分に分かれていて、特に第三身分とよばれる平民たちは税金に苦しめられ、大変な思いをしてきたのです。一方の貴族や僧侶は税金も免れたし、王族は贅沢をしていたのです。

ルイ16世の2代前のルイ14世の時代は、豪華なベルサイユ宮殿をつくるなど、お金もじゃぶじゃぶ使ったのです。その次のルイ15世も贅沢をしていました。ルイ16世は、先代と先々代ほどではないが、華やかな宮廷生活をおくっていたようです。

ルイ15世の代はポーランド継承戦争やオーストリア継承戦争といった対外戦争をくりかえし、さらにルイ16世の代になりアメリカ独立戦争を支援しました。そのため財政は悪化していきました。

ルイ16世は財政赤字を改善するために、チュルゴーという人物を財務総監に登用しました。チュルゴーの財政改革の柱は大きく分けて以下の3つ。

  1. 宮廷費の削減(チュルゴーは自らの年俸を下げて、節約に取り組んだ)


  2. ギルト、親方制、地方関税の廃止(農業、工業、商業生産を高め、物品の自由な流通を促進


  3. 身分による特権の廃止(特権階級にも税金を課そうとした)


しかし、これには特権階級も猛反発。とくに貴族の特権に手を付けたことがまずかった。結局チュルゴーは解任されてしまいます。もし財務総監がチュルゴーではなく小泉純一郎元総理だったら、きっと特権階級を抵抗勢力と名指しで批判し、刺客を送り込んで、貴族議員を落選に追いやったかもわかりません。

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(チュルゴーの肖像画。彼はフランス革命の始まりを見ることなく亡くなっています)

改革は進まず赤字はふくらむばかり。革命が勃発する1789年には累積赤字なんと約50億リーブルに達していたといいます。

財政赤字を改善させるにはどうするか?結局、税金をアップさせるしかないのです。それで苦しんだのは農民たち。18世紀には各地で蜂起を繰り返していたといいます。税金は上がる一方だし、食糧もおりからの飢饉などが重なり食糧不足になったのです。

2 啓蒙思想
 しかし、いくら農民たちが暴れても、それで革命が起こるわけじゃありませんん。革命を成功させるには強力なリーダーと、その革命を成功させる思想みたいなものが必要です。日本の明治維新が成功したのは、やはり薩長土肥が中心となり、尊王攘夷というスローガンを掲げて幕府に挑んだことも大きいです。

フランス革命の場合は、前回の記事でも取り上げたブルジョワ層がリーダーシップをとり革命を導いたのです。ブルジョワ層が思想的よりどころにしたのは、啓蒙思想です。とくにフランス革命で大きな影響を与えたのがルソーの「社会契約論」。彼は「生まれながらに自由な人間が、自ら作り出した文化や社会のために自由を失っている」と考えました。自由で平等な社会を作ろう、個人個人が主権者になろう、政治を王様から国民の手に取り戻そうという「主権在民」の思想です。



あと、専制政治を批判し、三権分立を主張したモンテスキューの「法の精神」も忘れてはなりません。

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(ルソーの肖像画)

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(モンテスキューの肖像画)

そうした、啓蒙思想が広まり、国王の批判も堂々と行われるという風潮も生まれました。サロンや居酒屋で行われた政治談議の内容が、当時、整備された道路網、そして新聞や本を通じて各地にもたらされました。


3 貴族の反発 名士会開催

 チュルゴー失脚後、財務総監が変わりましたが、財政赤字はまるで改善されません。ちぇるごーの後任の財務総監も貴族たちにも重い税金をかけようとしたのですが、ロイヤルニートの貴族たちは「冗談じゃねえっ!」て。

ルイ16世は時の財務総監カロンヌと相談して1787年に「名士会議」というものを開いたのです。この会議のテーマはもちろん税制改革です。ルイ16世達も大して働かない貴族たちがのほほんと特権にしがみついている姿を看過できなかったのです。

しかし、貴族たちは、特権階級の課税を拒否。ルイ16世はダメな王様のイメージがありますが、実はそうでもなかったのです。国民のことを非常に考えていて、貧しい国民を救おうと本気で思っていたのです。しかし、国王の理想は当時の貴族たちには全く理解できませんでした。当時の貴族たちは利己心のかたまりでした。こうした貴族の身勝手さや悪意をルイ16世は計算できなかったのです。本当に当時の貴族たちはワルですね。今の日本の悪徳官僚や政治家みたいw

ルイ16世は人が良く、いわゆる性善説論者だったのでしょうね。だから人間の悪い面をみれなかった。政治家は人が好いだけではダメってことでしょうね。また、いくら素晴らしい理想や政策をもった政治家が現れても、それに大勢の人が賛同してくれないと、その政治家は実力を発揮できないまま失脚する羽目になるのですね。

そして、貴族たちは「税制問題は三部会をひらけ」と言い出すのです。その三部会のお話はまた次回に。


※ 参考文献