1 イノシシ年なのに豚のお話
あけましておめでとうございます。今年も皆様にとって良い年になりますように。ことしは亥年です。つまりイノシシ年ですね。しかし、十二支の本場中国では亥年の亥はイノシシのことではないそうです。亥年の亥はブタだそうです。つまり、本場中国では亥年はブタ年なんですね。中華料理にはブタ肉を使う料理がたくさんありますね。餃子もそうですし、春巻、麻婆豆腐もそう。あと回鍋肉とか。



ブタはイノシシが家畜化された動物ですが、その歴史は意外に古く、紀元前6000年くらいからブタは存在しておりました。日本でも弥生時代にブタが飼われていたという文献があるようですが、ブタが飼育される風習は日本では長らくなくて、日本人はイノシシをとって食べていました。今でこそ肉屋やスーパーに行けば豚肉が買えますが、大昔はブタなんて非常に珍しく、日本人にとってブタよりもイノシシのほうが身近な動物だったんですね。

さて、今日はブタの話を続けたいところですが、去年の終わりからフランス革命のことを書き続け、まだフランス革命のお話は終わっていないので、そのまま話を続けます。かといってブタの話にまつわるお話ももうちょっとしたいのでw、フランス革命とブタを結び付けるような話、たとえばルイ16世が豚肉がすきだったとか、そんな秘話はないかとぐぐってみました。

そしたら、ありました。ブタにまつわる話が二つありました。一つは、ルイ16世が革命から逃れ逃亡をしているときに、豚足料理を食べたというエピソード。もう一つは、フランス革命期にルイ16世がブタに描かれている風刺画がはやったこと。ちなみにアントワネットは蛇でした。つまり、国民の血税をむさぼり、うまいものばかり食っているヒドイ王様だといいたいのでしょう。


2 本当に嫌われていたか?

 それではルイ16世は本当に国民から嫌われていたのでしょうか?ルイ16世を嫌っていた国民は「ざまあ」と思ったかもしれません。しかし、ルイ16世とアントワネット夫妻を日本の天皇皇后両陛下のように慕う国民もすくなくなかったのです。ルイ16世ファンの女性は王が処刑されたと聞き、セーヌ川に身を投げ、ある本屋は発狂し、昔役人をしていた男はショックのあまり死亡したといいます。

ルイ16世は「無能な王」だとか「でくのぼう」といわれていますが、実際はそうでもなかったのです。むしろ英明で、時代がもっと平和な時代だったら、名君とよばれていたかもしれないのです。

彼は1754年、ブルボン朝にルイ15世の孫として誕生します。幼少のころから自分の容姿に自信がもてず、 口下手で引っ込み思案な性格でした。一方彼の兄であるブルゴーニュ公は、活発で両親からも愛され、将来は王家を継ぐはずでした。しかし、ブルゴーニュ公は結核で死去。それで王位はルイ16世にまわってくるのです。 ルイ16世も「自分に王位はつとまるだろうか」と不安がるのです。しかしルイ16世は幼いころから勤勉で、帝王学も学んでいました。 そして何よりも優しい性格で、国民のことも第一に考えていました。歴代の王様は国民のことを考えないで身勝手な人が多かったのですが、ルイ16世は違ったのです。

3 錠前づくりは家訓のひとつ
 ルイ16世の趣味は狩猟と錠前づくりした。狩猟は当時の貴族や王様にとっては当然たしなむものでした。貴族と付き合うためにも王は狩猟を覚えておく必要があったのです。接待ゴルフならぬ接待狩猟ですね。

ルイ16世が扉の錠前づくりをするようになったのか、彼の趣味というより、ブルボン朝の伝統にのっとっただけでした。実はブルボン朝の人間がなんでもいから手作業を何か一つ覚えて、それを趣味にしなさいという家訓があるのです。面白い家訓ですね。伺った見方をすれば、手に職をつけておけば、王家が滅ぼされたとしても、王家の人間が食うに困らないだろうということかもしれません。

趣味の錠前づくりばかりしているアホな王様というイメージが世間にはあるのですが、実際はちがうのです。むしろ国民思いで改革にも熱心だったのです。国王が熱心に改革を行おうとしたからからこそ、三部会開催など物事がポンポン進み、それが皮肉にも革命の糸口を開いてしまったという専門家もいるほど。

フランス革命がおこったとき、ルイ16世は事の成り行きを楽観視していました。軍隊をだせば何とかなると思っていたのです。もし、ルイ16世が革命の芽を早めにつぶしていれば、フランス革命は怒っていなかったかもしれません。しかし、これはルイ16世が無能というより、当時の人たちが革命が起こるなんて想定外のことなのです。たとえは悪いけれど革命は「シンゴジラ」みたいなものです。いきなり東京湾からゴジラがあらわれ、東京の街を襲撃したようなものです。それくらいショッキングで想像もできないようなことが起こったので、当時の王家や貴族たちは右往左往したことでしょう。

また、ルイ16世は気が弱い面もあって、周りの人の意見に振り回されやすいところもありました。良くも悪くもルイ16世は調整役みたいな人で、トランプ大統領みたいに強力なリーダーシップなどありません。そういう彼の性格もまた災いしたのかなって思いました。

※ 参考文献