本題に入る前にクイズを。いなりずしと巻きずしを詰め合わせてセットにしたものを「助六すけろく」といいますが、その「助六」の語源は次のうちどれでしょうか。



  1. 歌舞伎かぶきの演目

  2. 女が6人

  3. スケベが6人

  4. 人の名前


まず2番は違います。女のことを「スケ」って言います。女の番長をスケ番といいました。僕の世代は「スケバン刑事でか」なんて連想しちゃいますw主人公の麻宮サキを演じられた斉藤由貴さんかわいかったなあ。麻宮の武器に使われたヨーヨーもはやりましたっけ。


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で、正解は一番。歌舞伎かぶきの演目に「助六」というのがあるんです。その演目の主人公の助六の愛人は吉原の花魁おいらんで、その名を『揚巻(あげまき)』といいいます。 『揚巻』の『揚』を油揚げの『いなり寿司』、『巻き』をノリで巻いた『巻き寿司』になぞらえて、この二つを詰め合わせたものを『助六寿司』と呼ぶようになったそうです。勉強になりましたか?では、本題に入ります。今日は歌舞伎にまつわるお話です。




みなさんは、歌舞伎かぶきの「勧進帳かんじんちょう」という演目をご存じでしょうか。平家を倒した後、源頼朝みなもとのよりとも源義経みなもとのよしつねは対立をするようになります。源頼朝に追われた源義経たち一行が山伏の姿をして(※1)東北の平泉へ向かいました。その途中とちゅう、今の石川県にあった安宅あたかの関を守っていた富樫 泰家とがし やすいえ「ちょっと待て!お前は義経じゃないのか!?」と足止めされてしまいます。

それで、義経の家来だった弁慶べんけい機転きてんかせ、勧進帳(※2)の巻物を読み上げるのです。その巻物は白紙なのですが、弁慶は勧進帳の内容を暗記していたので、すらすらと読み上げるのです。しかし、富樫はまだ怪しみます。


それで弁慶はなんと義経をぼうでひっぱだくのです。「お前が義経に似ているから疑われたじゃないか!」って。それで富樫が「もうよい、そなたたちが義経ではない事はようわかった」と、疑いの目が晴れて義経一行は通ることができたと言うのです。もちろん、弁慶は義経に対して、棒でたたいた事を泣いてわびたそうです。そりゃ義経だってMじゃないですからw普通だったら怒ります。けれど、義経はそんな弁慶のとっさの機転と彼の忠義をねぎらったそうです。

一方の富樫は、山伏の一行の正体が義経達だと知っていながら、弁慶の主君を思う心に感服して関所を通ることを許したというのが、「安宅の関」のエピソードです。感動的なエピソードですね。といいたいところですが、この話は作り話みたいです。

でも、義経が割とスムーズに東北へ行けたのはまぎれもない事実。当時は関所なんてなかったという意見もあれば、義経一行は船で東北に行ったという説もあります。それどころか、頼朝はわざと義経を東北へ行かせるために、義経の東北行きを見逃したのではないかって仮説をたてる人もいるくらい。 義経が藤原家に,げ延びれば、義経をつこともできるし、奥州の地も手に入れることができるという、頼朝にとってまさに一石二鳥な話ですしね。

※1 修験道しゅげんどうの行者。金剛づえ・ほら貝などを持ち、特定の山に登って修行するひとたちのこと。
※2 お寺に寄付をつのるお願いが書いてある巻物。弁慶が読み上げた勧進帳の内容は、奈良の大仏再建するための寄付のお願い