歴史の教科書で、日本最初の貨幣は「和同開珎ワドウカイチンだと教わった人も多いかと思います。今の歴史教科書では違います。富本銭フホンセンというものが最古の貨幣だと書かれているのです。富本銭の存在は古くから知られておりましたが、それまでは、おまじないとか祭祀に使うものだと考えられていたのです。それが1999年(平成11)に大量に発見され、それまでの常識が覆されたのです。

その発見された場所が奈良県。今の奈良県立万葉文化館のあるところです。僕もコロナ前に奈良に訪れ、万葉文化館に訪れました。そこに何やら発掘現場みたいなのがあって、なんだろうなって思ったのですよ。万葉文化館にも富本銭のことが紹介されていました。僕もそれで富本銭のことを知りました。万葉文化館建設に先立ち1997年に発掘調査を行なったのですね。そして2年後の1999年に富本銭が見つったのですね。

富本銭が鋳造チュウゾウされたのは天武天皇の時代。天武天皇は強力なリーダシップを持っていて、色々と政治改革を行ったのです。それで貨幣制度も取り入れようとしたのですね。当時、アジアで貨幣制度があったのは中国と日本だけでした。すごいですね。この富本銭の直径は2・4センチ、重さが4・3グラム。当時の中国の開元通宝とほぼ同じくらいの大きさなんですね。悪く言えば中国のパクリですが、ただマネをするのではなく日本独自のデザインを加えました。天武天皇は中国の貨幣制度を参考にした上で、中国に引けを取らないような国づくりをしようとしたのですね。

ただ、当時の日本は物々交換がメインで、富本銭はそれほど普及しなかったのですね。



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(富本銭)