1 暗黒の木曜日
今日は1929年の暗黒の木曜日のお話です。アメリカの経済はうんと悪くなり、それは世界中に波及しました。そして日本とドイツにファシズムが台頭するようになりました。
とはいえ暗黒の金曜日が起きるちょっと前まではアメリカの景気はものすごく良かったのです。株を買うことがブームになって、借金をしてまで株を買う人がいたほど。80年代の日本のバブルや最近のサブプライム問題に似ているなと思いました。
ちなみに経済学者のケインズはこの暗黒の木曜日について次のように述べております。
グローバルでかつ個人主義的な資本主義は成功ではなかった。それは知的でなく、美しくなく、公正でもなく道徳的でもない、そして善をもたらさない。だが、それ以外に何があるかと思うとき非常に困惑する。
この暗黒の木曜日以降、損をする人がたくさんいたのですが、例外的に二人の相場師はこの暗黒の木曜日にも拘わらず大儲けをしたのです。その人の名はジョセフ・ケネディとジェシー・リバモアの二人ですです。
2 ケネディ大統領の父

ジョセフ・ケネディ
ジョセフ・ケネディとは、あのケネディ大統領のお父さん。顔写真みたけれど、やはり似てるわwこの人の本職は実業家なのですが、相場師もやっていたようです。「儲けるのはかんたんだ。法律で禁止される前にやれば良い。」というのが彼のポリシーで結構アクドイことをしたようです。そのためジョセフ・ケネディのことをうらんでいた人も少なくなかったそうです。
3 ジェシー・リバモア
ジェシー・リバモア
この人の武器はその情報力です。各国の株の相場の情報を随分集めていて、さらに「空売り」をして大もうけをしたそうです。僕は株のことはよく知らないのですが、株の値が下がったところで「空売り」をすると儲かるそうですね。ちなみに、暗黒の木曜日の大暴落のときも、この人は大変な大もうけをしたそうです。なんでも1億ドル以上の利益をあげたとか。
4 二人の明暗
実は二人とも、いづれ株が大暴落を起こすことを事前にわかっていたそうですね。本当かウソか知らないけれど、ジョセフ・ケネディは靴みがきの少年が株の話しをしていて、それを知ったとか。
しかし、暗黒の木曜日を発端とする大不況は二人の人物の明暗をわけました。ケネディのほうは、相場の世界から身をひき、実業界に専念しました。
さらに、ジョセフ・ケネディは政界にまで進出しました。まさに勝ちっぱなしの人生でした。
「ふん、あやかりたいものだねw」と言いたいところですが、その彼のツケはケネディ大統領ら子供達の代に回ってくるのですが・・・
一方のリバモアは1934年ごろに破産をし、一人さびしくピストル自殺をしました。リバモアの残した遺書にはこのように書かれていたといいます。「どうしようもない。事態は悪くなるばかりだ。私は戦うのに疲れた。もう続けていけない。私にはこれしか方法がない。私は君の愛には値しない。私は失敗者だ。本当にすまないが私にはこれしか方法がないのだ」と・・・
ちなみに彼が死に際して残した信託と現金は500万ドルにのぼっていたといいます。
※ 参考
「その時歴史がうごいた」
「新・映像の世紀」
ウィキペディア

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