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アインシュタインが「日本は尊い国」で、日本が「アジアの高峰こうほう」で「世界の盟主」になると予言したと。。日本が世界の盟主になれる理由は「あらゆる国の歴史をぬきこえた最も古くまた尊い家柄いえがらでなくてはならぬ」

日本には天皇家があるから世界の盟主になるべきだと。

アインシュタインがこんなに天皇制(帝国主義ていこくしゅぎ)をマンセーするような発言を本当にしたってネトウヨさんたちが言うのですが本当でしょうか。

 しかし、アインシュタインについて信頼しんらいできる語録や来日記録をいくら調べても「世界の盟主」に関する記述は出てこないそうです。アインシュタインの伝記研究者に「日本は世界の盟主になる」の話をしても、「初耳だ」とおどろくそうです。

それに、アインシュタインは「国家主義は、小児病気である。それは、人類のはしかである。」「たとえ国家が要求したとしても良心に反することは決してしてはならない。」という言葉を残した人物。そのような人物が 「日本は世界の盟主」などと発言をするとは思えません。

アインシュタインが日本に来たことがあり、親日派である事は事実なのですが、それとこれとでは話がちがいます。

しかし、この「世界の盟主」と言った人物は実際にいました。その人物の名前は田中智学(たなか ちがく)。

田中は「 八紘一宇ハッコウイチウ」(※1)という言葉をつくった人物です。

彼が作った宗教団体が国柱会こくちゅうかい。石原莞爾はもとより、なんと宮沢賢治までが国柱会に入っていたそうです。

田中智学が昭和3年に発表した『日本とは如何いかなる国ぞ』という本があります。その本の中の「スタイン博士の至言」という文章があるのですが、その文章の中に「日本は世界の盟主」という言葉が出て来るそうです。

ちなみに、『日本とは如何なる国ぞ』に出てくる「スタイン博士」とはアイン・シュタインの事ではなく、オーストリアのウィーン大学教授のローレンツ・フォン・シュタイン教授(1815〜1890年)のことだそうです。

『日本とは如何なる国ぞ』を読んだ人がローレンツ・フォン・シュタインをアイン・シュタインだとカン違いして、「アイン・シュタインがこんなすごい予言をしたんだぞ」って言いふらしたのかもしれません?

ただし、シュタイン教授もまた「日本は世界の盟主」と言った事はないそうです。シュタイン教授はあくまでも日本に立憲国家となって欲しいという願いを持っていました。当時の欧米諸国の人たちは「黄色人種はだから、立憲国家を運営するのは無理」って思っていました。そんな中でシュタイン教授は日本に期待をしていました。「どうか、日本も欧米に負けない国になってほしい」と。

けれどシュタイン教授は、日本が国粋主義こくすいしゅぎに走る事は望んでいなかったと考えられます。

「天皇は世界の盟主」というのは田中智学の願望であって、本当にシュタイン博士が言ったわけじゃないのです。田中はシュタイン博士の名を借りて、「シュタイン博士が天皇は世界の盟主と言ったんだぜ」と自分の願いを言ったのだと思われます。


※1 全世界を一つにまとめて、一家のように和合させること。第二次大戦のとき日本が国家の理念として打ち出し、海外進出を正当化するスローガンとして用いた。







 ※ 参考文献

トンデモ日本史の真相
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