よくネットで後藤田正晴さんが、生前に安倍晋三元首相を批判し、「安倍晋三だけは総理にしちゃいかん」といったと拡散されておりますが、結論から言えば、

そんなことは一切言っていません。ガセネタです。

後藤田さんが批判したのは菅直人元首相。後藤田さんは生前、「菅だけは絶対に総理にしてはいかん」「あれは運動家だから統治ということはわからない。あれを総理にしたら日本は滅びるで」とおっしゃっていたそうです。つまり、ネットでは菅直人さんのところを安倍晋三さんに変えられて、後藤田さんが「安倍だけは総理にするな」と言っていると広まってしまったのですね。



後藤田さんが安倍元総理のことをどう思っていたのか知りませんが、安倍元総理の祖父である岸信介のことは、その能力を高く評価しておりました。ただ、戦争に対する反省がないという点は残念だったと。また、後藤田さんは、「岸さんの立場になれば言い分はあるだろうな」としながらも、個人的には元戦犯容疑者が日本の首班になることに対しては疑問があったとのこと。

安倍晋三元総理を批判したのは、後藤田正晴さんではなく、父親の安倍晋太郎さんだとネットで言われております。安倍晋太郎はかつて晋三さんに「お前には政治家として最も大事な情がない」と言ったとか。まるで実の息子を政治家としてではなく、人間的にも嫌うような言い方ですね。ただ、こちらも本当かどうかはわからないです。安倍晋太郎は放任主義で、無理をして政治家になる必要はないし、好きなことをやった方がいいという考え方だったそうです。ある時安倍さんが政治家になりたいと言い出して、それで安倍晋太郎さんが安倍晋三さんに「政治家になりたいなら秘書官になれ」といったとか。





*参考文献
安倍三代 (朝日文庫)
青木 理
朝日新聞出版
2019-04-05



「安倍晋三」大研究
望月衣塑子&特別取材班
ベストセラーズ
2019-05-26