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「大地の子」を前に見たことがあります。中国残留孤児の主人公と主人公の実の父親が中国と日本の戦後の歴史に翻弄されながらも生きていくという名作です。
この作品は涙なしでは見れなかった作品ですが、中国人の養父役を演じた朱旭(チュウ・シュイ)さんの演技がとても印象に残っていました。日本人の子供を、戦争でいがみ合ったことを乗り越えて、まるで実の子供のように優しく献身的に育てる父親を見事に演じていました。
朱旭さんの足跡について調べてみたのですが、彼が映画デビューをしたのは意外に遅かったようです。彼が映画デビューしたのは彼が50歳の時だそうです(1984年)。
それまでは舞台俳優だったそうです。シロウトくささを感じさせないのは、舞台でのキャリアが生きていたからかもしれません?
舞台と映画では勝手がちがうから、朱旭さんも初めはとまどったそうです。劇場に入るお客さんの数は知れているし、回数も少ない。しかし映画に出るようになってから多くの人に知られるようになっておどろいたとか。
有名になれば、人によっては「オレはえらいんだぞ」っていきがる人も出てきます。が、彼は「少し人気が出たり顔が知られても、それを意識せず、おごりたかぶるな」ということを自分に言い聞かせてきたのです。彼の最近の写真を見たことがあるのですが、本当に人柄がよいおじさまに見えます。
ちなみに、文化大革命のときは朱旭さんの所属していた北京人民芸術劇院もヒドイ目にあったそうです。朱旭さんだけでなく、同じ劇団員で彼の奥さんもやはりヒドイ目にあったとか。
「大地の子」で主人公の実の父親役を演じた仲代達也(なかだいたつや)さんと朱旭(チュウ・シュイ)さんは、戦争の話をふくめていろいろな話をしたそうです。
後に朱旭さんはこう語っています。
『大地の子』に出演できてよかったと思っています。仲代達也さんと出会えて、仲代さんの戦争時代の話をきいて、戦争で苦しんだ日本人も大勢いたということがわかったからです
※参考文献
中国映画の明星 朱旭・姜文・張藝謀・張國榮